数ある日本の滝の中でもとりわけ有名で,広くその名を知られているのが栃木県の日光国立公園内にある華厳の滝である.和歌山県の那智滝,茨城県の袋田の滝とともに日本三名瀑とも呼ばれている.個人的に言えば,これら三名瀑以上に素晴らしい滝も存在するとは思うが,名瀑というのは単に景色が素晴らしいというだけではなく,アプローチもしやすくて誰でもそれを味わうことができるという点も考慮されているのだろう(そういう意味では三名瀑はどこも気軽に訪問できる).
華厳の滝は中禅寺湖から流出する数少ない水系である大谷川にかかる滝である(中禅寺湖は男体山の噴火によってせき止められてできた湖であり,本来流出する川はない).断崖から一気に落ちる豪快な滝で,落差は97メートル,滝幅は水量の多寡によって異なるがだいたい7〜10メートル程度とされている.滝崖の下部には岩盤から伏流水が簾のように湧出して形成される小さな滝(十二滝)も見られ,合わせて壮観な眺めとなっている.ちなみにこの滝を発見したのは奈良時代から平安時代初期に活躍した勝道上人といわれており,名称の華厳とは仏教経典のひとつである「華厳経」からとられたという. |
周辺案内図 |
華厳の滝エレベーター |
地下通路です |
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