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 SINCE 2011年9月25日
       

第13回ひの新選組まつり参戦!!


第1部 隊士コンテスト編

1.ひの新選組まつり今年も開催

 すっかり春の恒例イベントとなったひの新選組まつり.ただ2008年秋のアメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界不況の影響はこういう地域のお祭にもおよび,ひの新選組まつりも運営資金の問題に悩んでいるらしいというウワサは聞こえていた.そんなわけで,来年は開催しないなんてことになったらどうしようとひそかに心配していたのだが,2009年の12月に日野市観光協会のHPに日程が発表され,どうやら開催はされることが決まったようで一安心,その後2010年2月に入っていよいよ募集が始まった.
 このお祭りの素晴らしい点に,毎年人の輪が広がっていくことがある.第9回に初めて参加した時は周りに知り合いは一人もおらず,雨が降るしきる日野市民会館にポツンと立っていたのだが,コンテストそして翌日のパレードでたくさんの人と知り合うことができた.2年目以降は知り合いが加速度的に増え,今ではパレードを見渡すと視野に必ず知った人が1人はいるんじゃないかという感じになっている.このサイトの歴史もひのパレとともにあると言っても過言ではない.2001年にひっそりと立ちあげてはみたものの放置状態になっていたのをひのパレ参加を機に再構成したからである.以来当サイトを見てお祭りに参加してくれた方々も現れるようになり,ますます人の輪が広がりを感じている.
 募集が始まると同時に申し込みをしたのだが,その形式は当然のように隊士として衣装持込み,コンテストも参加に丸をした.
   


2.コンテスト日程の前倒し

 こうして募集期間が続いていた2月下旬,衝撃的な情報が駆け廻った.コンテストの日程変更である.例年パレードの前日に開催されていた隊士コンテストがゴールデンウィーク最初の祝日である4月29日に前倒しになったというのである.昨年のコンテスト選出枠の縮小といい近年のひのパレは何かが起こる!!(笑).
 これに関して実行委員会に問い合わせた方がいて,それによると,この話は今年急に出たものではなく数年前から議論になっていたものとのことだった.すなわちパレード前日のコンテストだと準備が相当ハードであること,コンテスト合格者に準備期間を与えたいこと,お祭りの観客動員のアップのため等さまざまな理由からのものであった.これに関しては私の周辺でも,その決定を是とする意見の一方で,遠隔からの参加者はコンテストとパレードの2度にわたって日野入りするための経済的・日程的負担を危惧する声も聞かれた.とはいえ,参加されてもらう身としては実行委員会の決定に従うほかはないので,そのつもりで準備することになった.
 その後3月に入って日野市観光協会のHPが更新され,コンテストが4月29日であること,今年のコンテスト選出枠は副長土方歳三,局長近藤勇ほか,沖田総司・永倉新八・斎藤一・松原忠治・武田観柳斎・井上源三郎・谷三十郎の各隊長,それに歳三の恋人のお琴であることが正式に発表された.この隊長枠の一部が別枠になるのは昨年の第12回からの趣向で,これは主として地元企業等の団体参加用である.昨年お世話になった松チュウさん希望の松原役が復活したのはいいのだが,今年も原田役がないというのは…(へこみ隊長が嘆きそう).またお琴役に関しては昨年開催された恋人コンテストの第2回ということであろう.
   


3.妖術師?

 さて,今年もコンテストから参加することにしたのはいいのだが,問題はどんなパフォーマンスをするのかである.近年は参加者の中で剣の心得のある方が増えていることもあり,かつてに比べるとネタ系で合格するのは厳しくなっているのだが,剣術ど素人の自分としてはネタで勝負するしかない(笑).というわけで,当初は昨年もやった新選組主要メンバーの写真を再現ネタを考え,今年こそはいよいよその核心として近藤勇や土方歳三に挑戦しようかと考えた(昨年は当初鈴木三樹三郎,最終的に永倉新八になった).しかし,2年続けて同じ系統のネタでは芸がないだろうということでボツとした.

昨年の1枚
 
 その後どうしようかと悶々としているうちに時間ばかりが過ぎ,気が付いたら4月の下旬になってしまっていた.コンテストまでもう一週間もない!

 「困ったなぁ,今から付け焼刃の剣術でも勉強して正攻法で行くか」,
 「剣術,剣術…,術,術…,魔術,奇術,妖術… 妖術?」

 私の頭に突然稲妻のようにネタがひらめいた(笑).
 「剣術がダメなら妖術で行こう!」

 剣術で敵を倒すのが新選組の王道ではあるのだが,あえてそこを避けて妖術で敵をやっつける点をPRしようという寸法である.とはいえ本当に妖術を取得するのは大変そうなので,妖術のように見える策を弄することにした(インチキじゃないかというツッコミはなしで).具体的にはあらかじめ分割できるように仕掛けをした薬玉を遠隔操作で割るという寸法である.
 


4.ネタ作り

 コンセプトが出来上がればあとは実現に向けて邁進するだけである.薬玉を遠隔操作で割る仕掛けには電磁石を使うことにした.中学校の理科(第1分野)を覚えている人は分かると思うが,電磁石というのは通電している間は磁石として機能するが,通電が止まると磁力を失うという性質がある.つまり最初は通電状態の電磁石で薬玉の切片を接着しておき,パフォーマンスの途中隠し持った赤外線リモコンで電源スイッチをオフにすることで,薬玉が割れ拍手喝采という計画である.
 さっそく近所のホームセンターに必要な部品を買いに行ったのだが,ネタの最重要パーツである赤外線リモコンが売っていなかったためこれのみネット通販を利用した.薬玉本体は発泡スチロールの球体で,これをのこぎりで4分割した.電磁石は太い鉄ネジに銅線をぐるぐる巻きにした手製である.電磁石の磁力は芯の太さが太いほど,銅線の巻き数が多いほど強くなる.

電磁石は通電時のみ磁石として働きます

赤外線リモコンの受信装置を埋め込んだところ
 
 もちろん細工としては磁力は強ければ強いほどいいのだが,それだと電磁石自体が巨大化・重量化してしまう欠点があるため中程度のもので妥協するしかなかった.さらに赤外線リモコンのセンサーの埋め込みなど試行錯誤しながら製作を進め,試作品が完成したのは4月29日,すなわちコンテスト当日の午前2時になってしまった(この時期学会も迫っていて本業関係が忙しかったというのもある).   


5.会場にて

 試作品の完成後,簡単なテストと修正を行いそのまま倒れこむように就寝,目が覚めたのは朝8時であった.外を見ると天気は雨… そのまま試作品を鞄に詰め込み家を出る.自宅最寄りの駅から電車に乗るころから小雨となり,現地に向かっているうちにどんどん晴れてきた.自分の晴れ男パワーを信じるんだったと,持ってきた傘が恨めしくなった(笑).
 京王線高幡不動駅で下車し,コンテスト会場の高幡不動尊へ.受付を済ませて番号札をもらう.今年の番号は33番,奇しくも去年と同じである(今年もどうやらあいうえお順らしい).そのまま控室に入ると,すでに見知った方々が来ていた.すっかり常連で昨年藤堂平助だったフロどんさんや,盟友コシゾウさんの門弟で第11回の斎藤役だった韋駄天さん,過去2年続けて永倉役の岡山のHさん,今年はダースベイダー3部作の完結編だと以前から豪語(?)していたエルサブなど錚々たるメンバーが並んでいる.さらには大阪から昨年以来仲良くさせていただいている副チョウさんと松チュウさん,名古屋のOZEさんの姿も見え,お互いの近況話に花が咲いた.また,最近ブログの方の常連となっていた北海道のおねむり快男児!!さんの姿も見えた.コンテストの決戦前とはいえ,雰囲気はすっかり同志の会合,この辺の温かさがまたひのパレコンテストの魅力だなと思ったのだった.私は新規購入の長衣と袴を着け,おもちゃ屋で購入した浪人用ウイッグを装着し,小刀一本差して完成となった(なぜか一部にウケていた 笑).
   


6.コンテスト1次審査

 そして時間になり一同会場となる五重塔地下ホールに移動となった.ここでコンテストが行われるのは昨年に続いて2回目である.ステージを正面に見て左手に我々参加者が,正面に審査員そしてその後ろと右手が一般に観客となる.見渡したところかなりのお客さんが入っていた.
 実行委員長(南観光社長のNさん)のあいさつに続き,いよいよパフォーマンスの開始となる.ことしも”あいうえお”順に1グループ6人ずつの登壇だ.第2グループには昨年も参加されていたOZEさんが登場し自前の洋装土方でのパフォーマンスを披露していた.しかし,なんといっても今年もっとも濃厚だったのが第3グループである(笑). 
 
ここには3度目のダースベイダーネタでの登場となるエルサブ,昨年の斎藤一役のへこみ隊長,盟友コシゾウさんの門弟のK君,さらには松原忠治希望で昨年の観柳斎役で活躍された大阪組の松チュウさんという選りすぐりのキャラがてんこ盛りだったからだ.控え席から彼らの強烈なパフォーマンスを堪能させていただいたビザンチン皇帝でした.

磨きがかかったエルサブのダースベイダー(写真munnさん)
 

へこみ隊長(写真munnさん)

宇都宮のK君(写真munnさん)

松チュウさん(写真munnさん)
 
 続く第4グループには函館からやってきた男性が登場,当初はオーソドックスなダンダラ装束から洋装土方にチェンジするというパフォーマンスを披露した(しかも音楽付で 笑).彼が最近私のブログにも来てくれるようになったおねむり快男児!!さんであった.自分もいろんなネタをやったけど,わずか1分にこれだけのネタを凝縮したのは凄いなと感心したのだった.

おねむり快男児!!さんの演技(写真munnさん)
 
 第5グループには私がこのお祭りにまだ参加していなかった時代(第6回)に局長役をされたたけぞうさんがいた.そして第6グループ,いよいよビザンチン皇帝のグループである.
 この組の先頭を切るのは去年もお世話になった大阪組の副チョウさん,彼もまた自前洋装で土方歳三への思いを熱く語っていた.続く32番は2年続けて永倉役の岡山のHさん,今年は土方洋装で現在進行形の岡山新撰組準備会のPRであった.そして33番満を持して(笑)ビザンチン皇帝の登場である.
 まずはネタの薬玉(特に深い意味もなく,ただ目立つからという理由でピンクに塗装)をカメラ用の三脚に固定して離れ場所に置く.もちろん電源は控え席から入れっぱなしにしているので,電磁石は作動中である.まずは名前を名乗るところから開始,

「このコンテストには剣に覚えのある方々がたくさんおられますが,妖術の心得のある者はいないはず.来るパレードの際は某の妖術をもって不逞浪士を成敗いたす所存.本日はその一端を御覧に入れる」
 

とかなんとか言いながら,ポーズをとり,「ハァーッ!」と右手を突き出す.
隠して持っていた赤外線リモコンのスイッチをオフ,
電流を失った電磁石が外れ薬玉が割れる… 

ハズが…

割れない!! (´゚д゚`)


妖術師登場(写真munnさん)
 
ざわつく場内,焦るビザンチン皇帝,このままでは怪しい妖術師どころか,単なるインチキ詐欺師になってしまう(笑).ま,まずい,何とかしなくては…

「高幡不動尊の強い結界ゆえか,妖術が不調に終わりました.来るパレードに向けて,私を選んでいただければよりパワーアップした妖術を御覧に入れます」

と苦し紛れのセリフでパフォーマンスを締めた(これはこれでウケてはいた).
 その後もパフォーマンスは続き,無事コンテスト一次審査は終了した. 
 


7.コンテスト2次審査

 退場して薬玉を調べてみると,どうやら失敗の原因は底部の補強にあった.実は昨夜試作品が完成した後で,薬玉の底部(電磁石を埋め込んだのとは反対側の極)が壊れそうだったので少しテープで補強したのだが,補強が強すぎて電磁石の力を上回ったもののようであった(泣).
 審査が行われている間にステージでは地元日野市出身の演歌歌手,岩崎愛子さんの歌が披露された.そして引き続き,パレード当日に土方の恋人であるお琴さんさん役の方が紹介された.当初は昨年同様「恋人コンテスト」で決定する予定だったのだが,参加者が少なくほぼ自動的に決まったもののようだった.
 さて,審査が終了し一次審査合格者の発表となる.番号の若い順位発表され,私の33番はあっさり素通りされてしまった(妖術破れたり 笑).合格したのは宇都宮のK君,岡山のHさん,フロドンさん,おねむり快男児!!さんらであった.
 合格者によって2次審査が行われる.これは毎年恒例,役者さんとのセリフの絡みである.今年は五稜郭における榎本武揚と土方歳三との決別の場面だった(と思う?).
 そして,最終発表が行われ今年のミスター土方にはコシゾウさんの門弟,宇都宮のK君が選ばれたのだった.
   

今年の合格者の面々(写真munnさん)
   
 
 コンテスト終了後は懐かしい面々とのひと時を過ごし,その後は有志の宴会に繰り出したのだった(2次会でカラオケに行ったのだが,一部でアニソンが盛り上がってしまい,日野新の若い子が引いていた 笑).
   

薬玉で遊ぶ
(写真へこみ隊長)

お仲間との写真
(写真へこみ隊長)
   


鉄コン編へ続く

 

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